休学図鑑2人目は藤川尚さんです。
インタビューの中で自身の休学期間を(休学した)時間は無駄だと思っているけど、それに気づけたから無駄ではないという言葉で振り返っている姿が特に印象的でした。
断然「たけのこの里」の方が好きだという藤川尚さんにお話を聞きました。
目次
基本情報
名前
藤川尚
所属
茨城大学 人文社会化学部 現代社会学科
休学期間
2020年9月~2021年9月
休学のタイミング
大学3年の後期から
休学の理由
コロナ禍の授業に価値を見いだせなかったから。
休学中の1日の過ごし方
地域活動、ライターとしての活動
きのこの山orたけのこの里
たけのこの里
インタビュー本編

レールを踏み外した方が面白い
まず、休学をしようと思ったきっかけについて教えてください。
ーもともと浪人をしていてレール踏み外しているからもっと踏み外した方が面白いなって思っていてその選択肢の一つに休学が入ってたって感じかな。
もともとレールを踏み外したいと思っていたんですね(笑)
3年の前期が終わったタイミングで休学をしたのはどうしてですか?
ーコロナになって半年大学生活を送ってみたときにオンライン授業の受け方がすごく味気ないというか時間の無駄だという感じがすごくしたことが大きいと思う。
味気ない。
ー友だちとの交流もできないし、授業の内容も充実していなかったからこの時期に大学の授業受けていても無駄だなって思って、とりあえず1年(休学して)延ばせば状況が変わるだろうというのと、その時間を使って地域活動をしてた方がまだ有意義になるだろうなっていうのを感じたから休学したって感じ。
だから割となんで休学するのかがわかっていなかった感じかな。
休学って大学生にはあまり身近なものではないような気もするんですけど、藤川さんはいつ休学という制度があることを知ったんですか?
ー浪人して半年経ったときくらいかな。2回目の受験が迫ってくるみたいなタイミングだったから、大学の過ごし方に目を向け始めていて、なんとなく休学という選択肢があるということを知ってはいたかな。
あー、大学に入る前から知っていたんですね。藤川さんはそのとき休学に対してどのようなイメージをもっていましたか?
ーんー、大学にいられる期間を1年延ばせる手段だなとは思っていて、でもその中身は人によって違うんだろうなと思っていた。
だから割とそのときはなんで休学するのかがわかっていなかった感じかな。
汚れちまったからもう他の色を足し合わせるしかないな
休学に対して理由とか目的とかはなかったんですか?
ー大学入る前はなかった。でもレール踏み外したいから休学したいなとは思ってた(笑)
レール踏み外したかったんですね(笑)
ー普通に浪人してたからね。絵具みたいな感覚をもってもらうと、浪人をせずに大学入って普通に生活して就活する人って真っ白な色だと思っているのね。
で、なんか浪人をするという行為はそこになんか別の色を混ぜる行為だと思っているのよ。そうなると完全に真っ白にはもう戻れないわけじゃん。
だから汚れちまったからもう他の色を足し合わせるしかないなみたいな(笑)
例えが面白いですね(笑)
レールを踏み外す手段っていろいろあると思うんですけど、その中で休学を選んだのはなぜですか?
ーまあ一番手っ取り早いし、その時の自分に合ってると思ってたから。
それはどうしてですか?
ー去年の自分は授業の受け方に飽きていたし、なんかたまたまその時読んでいた本を通して大学という施設の在り方とか大学生という身分とか大学を通して得られるものについて見つめなおしていたことがあってこのまま1年は過ごしたくないなと漫然と思っていたのと、あとライターの活動をし始めていた時期でもあったからもうちょっとライターの活動に注力して安定させることをしていった方が良いのではないかという想いがあって休学する決断をしましたね。
1年追加―!って感じ(笑)
休学をするという決断に踏み切るまで悩んだりはしました?
ー悩んでない!
笑笑 アイス買おうみたいな感覚で休学したんですか?
ーそうそうそう。1年追加ー!って感じ(笑)
こんなつまんない回答で申し訳ないわ(笑)
休学って周りの友だちと一緒に卒業できないとかデメリットもあると思うんですけど、そこは特に意識していなかったんですか?
ーまあもう既に浪人して1年遅れてたしね。
だから別にもう1年遅れても大差ないわみたいな。
なるほど?
ーなんか2浪してんのと一緒じゃんと思って。
なんもない。すっごい漠然としてたね。
休学中に何か成し遂げたみたいなことはありますか?
ー記事は書いた。んー、とりあえずなんか1年無駄にするのはもったいないなという想いはなんとなくあったから地域に身を出し続けていきたいし、ライターを続けていくのはもちろんだけど、それ以外のところでもライターの仕事の受注先を増やすみたいなことはしていこうと思ってた。
その中でいろいろと記事を書くことはできたかな。
藤川さんは休学するにあたり、目的とかプランとかあったんですか?
ーなんもない。すっごい漠然としてたね。地域活動を続けていくということと記事を書くということの2つだけ。
どうして地域活動と記事を書くことはやりたいと思っていたんですか?
ーあ、良い質問ですね(笑)なんか地域に出るのはもう呼吸みたいなものだったのよ。
呼吸みたいなもの(笑)
ー家とか大学にこもってたりとか1か所に留まり続けていると退化していきそうな気がしていたから、絶対にそれはしないように地域に出続けていろんな人とのコミュニケーションとか関係性を維持することはしていきたいなと思っていた。
記事を書き続けるということは単純に自分の中のスキルとしてライティングのスキルは鈍らせたくないからこれは単純に場数を踏んでやっていくしかないなと思ってやってたかな。
いろんなスキルがある中でどうしてライティングだったんですか?
ーそれは単純にライティングがどの領域でも使えるスキルだと思ったから。
あとはインタビューもたくさんしていたんだけど、インタビューはコミュニケーション能力じゃん?
そこ(コミュニケーション能力)は鈍らせずに向上させておいた方が良い部分だと思ったし、他人にインタビューする中で自分が知らなかったことを知る機会ってたくさんあるからそれは伸ばし続けていきたいと思ってライターは良い職だなと思ってた。
今考えると無駄だなって思ってるよ。
休学して過ごした1年間を今振り返ってみて何を感じますか?
ー今考えると無駄だなって思ってるよ(笑)
え、そうなんですか?(笑)
ーやっぱり1年社会に出るのを遅くしてしまったなって思ってる。
今になってみるとすごい社会に出たい欲求が強いから早く大学卒業したいみたいな。
自分を育ててくれる環境って会社だと思っているからその環境に早く身をおくために休学とかせずにさっさと出た方が良かったなって今は思ってる。
それは休学する中での気持ちの変化なんですか?
ーそうだね。実際過ごしてみたら別にこの1年ってこのタイミングじゃなくて良かったなって思った。
それはどういうときに感じたことなんですか?
ーいろんな社会人の人と話していく中で、今の自分に必要なのはアカデミックに育ててくれる場所ではなくてビジネス的に自分を育ててくれる場所の方だと思うようになって。
それは大学じゃなくて社会だし、何ならもう働くということの方が合っているから自分は違う場所に身を置き続けてしまったなということに気づいてしまってちょっともったいないなと思ってる。
休学はダイナマイトみたいなもの
休学をする前とした後で休学に対する考え方に変化はありましたか?
ー休学ってダイナマイトみたいなものだなって(笑)
ダイナマイトも掘削をより簡単にするために作られたものであって人に危害を加えるために作られたものではないじゃん?
それと同じで使い方によって全然効果が変わってくるという意味合いでは休学も同じで、(休学が)良いものになるか悪いものになるかはその人次第だなって思う。
同じ休学している立場としてそれはすごくしっくりきます。
マイナスにするのもプラスにするのも結局は自分次第
休学を終えて今は復学していると思うんですけど、その中で感じていることを教えてください。
ーまあでも1年下の人たちとの人脈ができると思えばプラスになるし、卒業旅行2回できると思えばプラスだし、別に人間関係とかでマイナスに思っていることはないかな。
というか、どんな経験をするにしてもマイナスにするのもプラスにするのも結局は自分次第なところがあると思ってるかな。
そのまま迷い続けて欲しいなと思ってます。
最後に休学するか悩んでいる人に向けてメッセージをお願いします。
ーまず迷っていることはすごく正しいことなのでそのまま迷い続けて欲しいなと思ってます。
休学するにせよしないにせよ迷えば迷うほど慎重に1年を使おうと思えるはずだから自分がどうなりたいのかみたいなことは考え続けるのが良いんじゃないかなと思います。
考え続けることって大切ですよね。
ーまあでも悩むのと考えることは別だからそこは区別した方が良いと思う。
悩むと考えるは別?
ー悩むっていうのは感情的に右往左往している状態であって、考えるというのは戻ったり進んだりもしながら着実に前に進んでいるようなイメージなんだけど、自分に何が足りていないから考えられないのかとかそういうことを見つけ出してプラスしていって決断を下していくということが大切だと思う。
休学に限らずだと思いますが、身の回りに起こる出来事をプラスにするかマイナスにするかは結局自分次第なところも大きいように感じました。
藤川さんありがとうございました。
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